達も後から付いてくる 暫く歩くと 前方に車が走る音がしたんだ。

K 「皆! 車道だ!」

M 「助かった・・・」

I 「 何とか逃げられたね・・・早くKの実家に帰ろう」

Т 「俺のうまい料理食べさせたるから 早くKの実家に行こうぜ!」

車道に出て Тのランクルに採った山菜と荷物を積み 俺の実家に向かった。

俺の実家は 今は ばあちゃんの妹の娘が管理しながら住んでるんだ。

出発する前に 叔母に電話して 今日は泊まりになるかもと 伝えていた。

山から 数分の実家に車を停めると 叔母が待っていてくれた。

(叔母の名前は Sにしておく)

S 「 おやまぁ いらっしゃい! 」

I 「S叔母さん 久しぶりです」

S 「 あら! Iさんも来てたのね! ささっ あがってね! みなさんもどうぞ!」

MとТがお邪魔します!と言い 実家に上がって言った。

茶の間に行くと 叔父が座ってた。

俺とI以外の MとТが叔父叔母に自己紹介していた。

(叔父はFとしておく)

F 「皆さん くつろいでね!」

叔父と叔母は めちゃくちゃ優しくて 俺が両親に捨てられた時 祖父母と叔父叔母が 物凄く優しくしてくれていた。

K 「叔母さん 大所つかわせてもらうよ?それと 叔父さんに叔母さん もう夕飯食べた?」

S 「食べてないわよ? Kちゃんの実家なんだから 気を使わなくていいのよ? 好きに使いなさいね 」

叔母さんは 年中ニコニコと笑顔を絶やさない人なんだ。

K 「Т 食材足りるか?」

Т 「んー すみません Sさん 冷蔵庫の中見ていいですか?」

S 「いいけど Тさんが作るの?」

Т 「Fさん達が夕飯まだ食べてないなら 今日は俺が腕を振るいますよ!」

S 「あら!それじゃお願いしょうかな?」

Тは任せて下さいと言い 茶の間を出て 大所に向かった。

Тが夕飯を作ってる間 俺は 叔父叔母に話を聞いていた。

F 「いきなり 電話で泊まるって聞いて ビックリしたよ」

K 「ごめん 叔父さん 」

S 「そんなこと言って アナタ Kちゃんに会いたがってたじゃない?」

F 「うっ いいじゃないか 皆ビール飲める?」

俺達は飲めると言うと 叔母にビール持ってきてと頼んでいた。

I 「すみません」

M 「あっ すみません!」

少しして 叔母さんが 数本のビールと コップを持ってきて 俺達についでくれた。

Тも 出来上がった料理から テーブルに並べてくれてた。

Т 「出来ましたよ! ふきみそと タラの芽とふきのとうと自然薯の天ぷら」

叔母さんがТにもビールをそそぎ 全員で乾杯したんだ。

Тの料理は プロ並みとはいかないが 上手いんだ。

Iは 美味い美味い言いながら 天ぷらをビールで流し込んでた。

俺もMも叔父叔母も Тの料理を絶賛しながら 楽しい食事の時間が過ぎたのだった。

宴も終りに近ずき 皆酔っ払って MとかТは そのまま寝ていた。

叔母さんは M達に毛布をかけてくれてた。

俺とIは俺が住んでた頃の 部屋に泊まることにしたんだ。

S 「Kちゃん Kちゃんの部屋は綺麗にしてあるからね? ゆっくり寝てね」

K 「ありがとう!叔母さん! I 行こうか?」

I 「すみません S叔母さん」

そうして 俺達は 部屋に行って 布団に入って寝たんだが 午前0時過ぎた頃かな 叔母さん達が寝てる方から キャーーー!!っと叫び声が聞こえたんだ。

K 「な! なんだ!?」

I 「S叔母さんの部屋の方からだね!いこう!」

俺と Iは飛び起きて 叔母の部屋に走ったんだ。

叔母の部屋に行く途中 MとТが今から出てきた。

M 「なんだ!どうした?!」

K 「わからん 叔母さんの所に急ごう!」

4人合流して 叔母の部屋に向かうと 叔母が隅っこで震えていた。

叔父は その震える叔母を抱きしめてるんだ。

F 「あっ Kくん達か・・・Sが 変なものを見たらしいんだ・・・」

S 「ううっ・・・なんか 首が異常に長い人が 一瞬なんだけどそこの窓ガラスに映ってたの・・・怖くて怖くて・・・」

そんなことを言いながら 叔母は 泣きそうになってた。

俺は 叔母が指さす窓ガラスを見ると それらしいものと目が合った。

Iにも分かったらしく 俺を見ていた。

K 「大丈夫だよ 叔母さん 何もいないよ?」

S 「本当に?もう居ない・・・?」

俺は 叔母を安心させようと嘘をついたんだ。

本当は 首が長い女が 俺達を ギロっと睨みつけていた。

多分これは 裏山から付いてきたな・・・。

その女は 首が長く 舌をだらんと胸の位置までだらしなく垂らしていた。

K 「叔父さん 叔母さん ここじゃもう寝られないだろうから 俺の部屋で寝た方がいいよ」

I 「そうだね S叔母さん そうした方がいいですよ?」

S 「ご・・・ ごめんね・・・?」

叔母は本当に怖かったのか 謝りながら 叔父と部屋から出て言った。

K 「居るんだよな・・・物凄い形相でさ」

Т 「マジかよ・・・?俺には何も見えん」

ずっと 窓ガラスの外で ユラユラと揺れてるんだ。

I 「困ったわね・・・ 物凄くひしひしと憎しみを感じる・・・」

M 「なんか物凄く ここ息苦しくないか?」

Т 「何にか 空気が思い・・・」


あの女の霊が現れて この部屋が異常なくらい おかしくなったんだ。

M 「ダメだ・・・気持ち悪くなってきた・・・」

憑依体質のMは 霊の気に当てられて 顔色が悪くなっていた。

Тは 霊感が無いのか ピンピンしてるんだ。

Т 「M 大丈夫か?」

M 「ダメだ・・・この部屋から出る・・・」

Mは ふらふらと部屋から出ようとする。

K 「Т Mを頼むよ Тも居間で寝てくれ」

Т 「分かった! 行くぞ!M」

ТはMを 支えながら 部屋から出て 居間に向かった。

叔母たちの部屋に 俺とIだけになった。

K 「どうする? I?」

I 「んー どうしょうもないわね・・・ 先輩もすぐには来れないだろうし・・・」

やっぱり 住職さんが居ないと俺達は何も出来なかった・・・。

ピンチってやつだな・・・ 見える事が物凄く嫌だ。

俺が狼狽えていると Iが急に座り込んで 霊を見つめいた。

I 「しかたない・・・一か八か・・・」

Iは 膝を着いて座ったまま 合掌したんだ。

K 「えっ?」

I 「摩可・・・般若波羅蜜多心経・・・」

Iが 住職さんの同じようにお経を唱え始めた。

俺は黙って Iを見ていた。

I 「観自在菩薩・・・深心般若波羅蜜多時・・・」

たどたどしいけど 力強くIはお経を唱えている。

すると 霊の雰囲気が 更にきつくなった。

俺達の頭に 無駄だ・・・!と聞こえてきた。

更に怒ったのか 窓ガラスが バンバン叩くような音がしだしたんだ。

I 「ダメか・・・余計怒らせてしまった・・・」

K 「そうだ!」

I 「えっ?」

俺は 携帯を取り出して 住職さんに電話したんだ 何故もっと早く思いつかなかったんだと思った。

住職さんに電話したんだ。

トゥルルルル・・・

住職 「はい 住職です」

K 「住職さんですか? ちょっとお願いがあります」

住職 「どうしたの? また何かあった? ああ・・・言わなくても良いよ でも 私は今 行けないの」

やっぱり 住職さんに断られてしまったが 俺の考えは違った。

K 「電話越しで言いんで お経お願いしてもいいですか? 」

住職 「ああ なるほど ちょっと待ってね?」

と 言われたので 俺は携帯の通話を スピーカーにして 窓ガラスの前に 突き出した。

住職 「いい? 行くわよ? 摩可! 般若波羅蜜多心経!観自在菩薩深心般若波羅蜜多時!」

スピーカーから 住職のお経が流れてくる。

すると 霊の雰囲気が急に落ち着きを取り戻した感じがしたんだ。

今までの 暗くて重い雰囲気が無くなった。

スピーカーから ずっと 住職のお経が流れる続ける状態に 霊はすうっと消えていったんだよ。

消えると同時に 暗く重かった雰囲気が 静けさをとりもどした。

K 「住職さん!OKです!霊が消えました!」

住職 「そう良かったわね それじゃ またね!」

K 「ありがとうございました!」

I 「先輩!ありがとうございます!」

そう言葉を交わして 電話を切った。

K 「ふぅ・・・」

I 「K 頭いいわね・・・今回はKに助けられたよ」

あまり褒めない Iに褒められて少し嬉しかったのもあるんだ。

暫くして MとТが部屋に来たんだ。

M 「大丈夫か? アレ? 部屋の雰囲気が変わった」

Т 「何があったんだ?説明してくれよ?」

俺は MとТに説明したんだ すると M達は そうかと言っていた。

その後は何も無く 俺達は余り寝れないが 無理矢理寝たんだ。

そして 叔父叔母にお礼を行って 実家から自分達の家に帰ったんだ。


これで 終わりです どうもありがとうございました。