何故俺がそれを止めたかというと Mがそれを言った途端 俺の耳に 辞めろ!と聞こえたんだ。

Т 「それはやめとけ M 何があってもしらんよ?」

K 「そうだ 絶対にダメだ!」

M 「冗談だよ!ムキになるなよ〜」

Mの冗談は冗談じゃないから 不安だ。

俺とТは Mが病院の物を持って帰らない様に 目を光らせてた。

1階を見終わり 2階に向かったんだ。

コッコッコッと 階段を昇り2階の通路を懐中電灯で照らすと ボワッと通路の奥まで見渡せた。

K 「うっ・・・」

通路を照らした途端に 俺はいつもの 霊が出た時のような 感じを感じた。

K 「M これ以上だめだ 俺には無理だ」

Т 「どうした?」

K 「やな感じがする・・・」

M 「今からだろ 何言ってんだよ」

K 「ホントだって! お前達には分からんだろうけど あの 診察室に1人いる・・・」

俺は その診察室を指さすと 誰も居ないのに 診察室のドアがゆっくり開き始めた。

M 「えっ・・・ちょっとまて」

Т 「なんで勝手にドアが・・・」

K 「出てくる・・・」

俺達は 何故か逃げずにそのドアを見つめていたっていうか 身体が動かなかった。

やっぱり来るんじゃなかったと 今更後悔してた。

ドアが開き終わり 中から手が出てきたんだ。

K「うっ!」

T「どうした!K?」

Tの言葉に反応できずにその手から目を離せなかった。

手が見え 最後に 顔が真横に出てきた。

生きてる人間には 出来ない感じの体制だった。

K「M・・・Т・・・やばい・・・」

M 「えっ・・・」

Т 「俺には何も見えない・・・でも 何か嫌な感じがする・・・ 」

俺が後ずさり すると MとТも後ずさりし始めた。

下がってると 遂に それが姿をあらわしたんだ。

それは 看護師で 首を傾けて ユラユラ上半身を揺らしながら ゆっくり近づいてくる。

K 「逃げるぞ!!!」

俺は突然に踵を返して 階段を駆け下りる。

M 「なっ!K!待てよ!」

Т 「俺達も逃げるぞ!!!」

俺の後に M達が バタバタ駆け下りて 俺の後ろを全力で追いかけてきた。

廃病院から出ると 俺達は 車に飛び乗り Тがエンジンをかけようと キーを回していた。

キュルキュル・・・キュルキュル・・・

かからない・・・。

Т 「何で かからないんだよ! 」

M 「嘘だろぉ!!早くかけろよ!!」

K 「あっ・・・来た・・・Т! 早く!」

Тが必死にエンジンをかけようと キーを回してる最中に俺は後ろを見ると 看護師のそれは 玄関まで来ていた。

K 「Т!!! 玄関まで来てる!!!」

Т 「まじかよぉぉぉぉ!!! 」

キュルキュル・・・! ボォォォ!

Т 「よっしゃ!!! かかった!!」

K 「早く!!!真後ろまで来てる!!!」

Тは 急いでギアをドライブに入れて 急加速したんだ。

ほとんど アクセル踏みっぱなしで 廃病院から逃げ出した。

Т 「やったか!?」

M 「はぁはぁ・・・」

K 「・・・・・・Т」

Т 「どうした?まけたか?」

逃げられたせいか Тが安堵してた。

でも 俺は安堵できなかった・・・。

何故か? やつが 身体をフラ〜フラ〜しながら追いかけてきていた。

K 「安堵してるところ悪いが・・・かっとばせ!」

Т 「何でだよ?」

M 「まさか・・・?」

K 「そのまさかだ! 追いかけてきてる!!!」

俺は絶叫に近い叫びで MとТに叫んだ。

そう言うと Тはアクセルを踏み加速し始めた。

Т 「うわぁぁぁぁぁ!!」

K 「追いつかれるぞ!!Т!!」

Т 「これ以上出すと 事故る!!無理だ!!」

ドンドン近づいてきている このままでは 追いつかれて大変な目にあう!。

M 「追いつかれるなー!うっ・・・」

Mが 恐怖からか 気を失った。

誘った奴が 気を失うなと俺は心で叫んでいた。

気を失った Mをほっといて 俺とТは 死にものぐるいで街までの道を走る。

Т 「まだ居るのか?!」

俺は 後ろを見ると 何も居なかった。

K 「いなくなってる ギリギリ逃げられたか・・・」

Т 「はぁぁぁ・・・良かった・・・」

俺が後から前に振り向いた瞬間を フロントガラスに デカい顔が映り込んでいた。

K 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

俺の突然の絶叫に Тが急ブレーキかけた。

キキキキキーーーッ

タイヤが音を鳴らしながら 滑って 真横になり止まった。

Т 「どうしたんだよ!K!」

K 「後から前に向き直ったら・・・ あの看護師のデカい顔が フロントガラスに映ってたんだ・・・」

Т 「嘘だろ・・・追いつかれたのかよ・・・」

俺は コクンと頷き 2人とも顔色が良くなかった。

Тは 逃げるように 再び車を発進させて 国道に出たんだ。

Mはまだ 気を失ってるから 俺が Mをビンタして起こすことにした。

バチン!バチン!

少し本気で叩くと Mが目を覚ました。

M 「痛てぇよ!!何すんだよ!」

K 「M1人だけ 気を失ったバツだよ」

Т 「そうだ!そうだ!俺とKがどれだけ怖い思いしたか・・・」

M 「うっ・・・情けない」

そんで 帰りに腹は減るもので 3人で 飯を食べに行ったんだ。

でも これで終わるわけもなく俺達を恐怖に陥れられる。

次の日 Mが事故に巻き込まれた おかま掘られて 病院に運ばれたんだ。

Тは 仕事中に足場から落ちて 腕を骨折したんだ そんなに高い所じゃなかったのが 運が良かったと行っていた。

俺は ほとんど何もなく 元気なままだった。

ままだったんだが・・・俺には毎度の事 霊障が起きるんだ。

部屋にいる時に 何かの気配を感じたり 急に気持ち悪くなったり 物が落ちたりしてた。

K 「毎度のことなんだが・・・疲れるよ」

I 「困ったね・・・MもТも被害うけたんだよね?」

俺は 今回の事をIに相談してたんだ。

すると ピンポーンとチャイムがなった。

I 「先輩だね 呼んどいたんだよ」

K 「マジでっ?助かるよ」

Iの時に 陰陽師の力もあると知ってもっと心強くなってた事もあり 安堵した。

Iが住職さんを迎えに行って 住職さんと部屋に入ってきた。

住職 「また行ったの? 厄介な物付けてきて」

K 「困っちゃってまして・・・」

住職 「んーこの人は あの病院でなくなってるね あの病院に執着心がすごいね だから 肝試しで人達が 病院にイタズラするから恨みを募らせてるんだね」

K 「俺には物凄く悔しいっていうか 恨みっていうか そんなに感じがしてました。」

今回の件は 怖いだけの話ではなく 同情できる事だったけど やっぱり怖いんだ。

住職「そうだね そろそろ 楽になって貰わなきゃね」

と 住職さんが 手を合わせて除霊ではなく 成仏させる時の 優しく静かにお経を読み始めた。

住職 「彷徨える 魂に安息を・・・仏説 般若波羅蜜多心経」

そう唱えると 俺達の前に看護師が現れた。

その霊は 黒くボコッと穴が空いたような目から 涙が流れ出ていた。

その霊が一言こう言ったんだ。

大事な病院が汚されるのは もう耐えられない・・・。

と呟きながら泣いている。

住職 「あなたはもう 苦しまなくていいのよ?」

住職さんは この看護師の霊の為に お経を唱え続けると あの時 そう 〇魚の時の女の子の時の様に 看護師の周りに暖かい光が包み込む。

K 「あっ・・・空から この前みたいに 仏様が・・・」

住職 「摩訶般若波羅蜜多心経・・・ 」

光に包まれた 看護師は視線を天から降りてくる 神々しい仏様の集団を見ていた。

住職 「御本尊様 この者をお連れください」

住職がそう言うと 看護師を連れて天に登って行った。

光がなくなると 何も無かったように 静かな雰囲気に戻ったんだ。

住職 「成仏したね それと Kくん あまりそういう所に行かないようにしなさい って言っても無理だよね」

K 「俺は毎回行きたくないです Mが・・・」

住職は ふふっと笑いながら 俺の肩に手を置いた。

住職 「分かってるわよ ふふっ」

その後 住職さんに夕飯を食べてもらい 少し雑談して住職さんは帰って行ったんだ。

これで 俺の話はお終いです。