こんばんは Kです。


数年前 じいちゃん ばあちゃんが 病気で立て続けに亡くなり 俺は 葬式の為に里帰りしてたんだ。

親戚の人達や じいちゃん ばあちゃんの友達が沢山来てた。

滞りなく 葬式と告別式を終えて 実家に泊まることになり じいちゃん ばあちゃんが寝てた部屋に懐かしく そこに布団を敷いて じいちゃん ばあちゃんを想いながら寝たんだ。

深夜になる頃だった 俺は夢を見てたんだ。

暗闇の中 女の声が聞こえた。

??「そちの身体・・・妾(わらわ)にくれまいか?」

その声に目を開けると そこは 何故か実家の居間だった。

K 「あれ? なんで居間にいるんだ? つか さっきの声はなんだ?」

周りを見渡すと 誰もいなく 俺一人だった。

すると また 変な声がしてきたんだ これは女の声?しかも今の言語ではないな。

女「そなたの身体ちょうだいな?ふふふ・・・」

そんな声が天井の方から聞こえたと思ったら 天井から女の顔が半分出ていた。

K 「ひっ・・・!」

俺は その顔を見た瞬間に金縛りになったんだ。

K 「くぅ!金縛りかよ・・・」

見上げたまま 固まってしまった。

見つめ続けてたら どんどん天井から 顔が出て 音も立てずに床にスルッと降りた。

その女は ゆらゆらと立ち上がり 固まってる俺を見つめていた。

K 「うぁ・・・来るな・・・」

その透けた奴は ゆらゆらと俺の目の前まで来て 顔を近づけてきた。

K 「よるな・・・!」

女「ふふふ・・・そなたの身体くれまいか?」

女の方が 俺の身体に入ろうとしてきた時 バチン!と電気がショートした時のような音が聞こえた。

??「私達の孫に触れるな!!

今度は老人の声が聞こえた。

K 「じいちゃん!ばあちゃん!」

そう叫んだと同時に 金縛りが溶けて 身体が動くようになった。

その瞬間 女とじいちゃん ばあちゃんが 対峙してた。

無言で睨み合う 3人 俺は何も喋れずに部屋の端っこで その光景を見ていた。

見ながら 俺は急な睡魔に襲われて意識が飛んでしまい 気づいたら 朝になっていて周りを見渡しても じいちゃん ばあちゃんはいなかった。

K 「夢か・・・なんだったんだろう? あの女・・・?」

布団から起き上がり 居間の仏壇の前に行くとじいちゃん ばあちゃんの位牌が倒れていた。

昨日は ちゃんと立っていたのに どうして倒れていたのか 分からなかったが 何となく じいちゃんとばあちゃんが 悪夢から助けてくれたんだと思った。

ここで 終われば まだ救いがあるのかも知れない・・・。

だが まだ 俺の悪夢は終わっていなかった・・・。

実家から 自分のアパートに帰ってきたんだ。

何故か 非常に疲れていた。

やっとの事で 自分のアパートについた。

K 「ふぅ・・・」

I 「おかえり 合鍵で入ったよ ごめんね?」

K 「うん・・・大丈夫だよ 来てたんだ・・・」

俺は 精神と肉体的に疲れてたのか ソファーに横になった。

俺の疲れ具合に Iは何かおかしい事が直感で分かったのか 心配しながら聞いてきた。

I 「何か物凄く疲れてるようだけど 実家で何かあったの?」

K 「ん・・・実家で 変な夢を見たんだ・・・」

I 「変な夢?」

俺は Iに実家で起きた 夢をこと細かく説明すると Iが少し考えて 俺に伝えてきた。

I 「なるほどね・・・その女 今 Kについてるね」

K 「やっぱり・・・ 視線の端に時々 何かが見えるんだよ・・・」

俺は 立ち上がるのも怠くて よく言われてる 生気を吸い取られるってこうなのかと実感してた。

I 「明日 先輩の所に行ってみようか」

K 「うん・・・疲れたから少し寝るよ・・・」

I 「うん 今日は私がKのそばに居るからね ぐっすりできないかもしれないけど 休んで?」

俺は ごめんと言い 自分の部屋のベッドに横になり目を閉じた。

目を覚ますと また実家の居間に居た。

K 「またか・・・」

この後起こる事が何か分かってるから 俺は立ち上がり 実家の中を歩くと ある一室 じいちゃん ばあちゃんが生きてる時から 開かずの部屋の前にたどり着いた。

現実の世界では、南京錠で固く封印されてたのに 目の前にある扉には何も無かった。

K 「あれ? 鍵かかってたはずなんだけど」

俺は その開かずの扉の取っ手を掴み引くと ギギギ・・・とちょうつがいが錆びてるような音を出しながら開いていく。

K 「開いた・・・」

扉の向こうをみると 漆黒に落ちていくような階段が 地下へと続いていた。

K「何だここは?階段?」

俺は、嫌な感じがしたが この先に何が有るのかと気になってしまった。

小さな頃から 絶対に近寄るなと言われ続けたから。

好奇心に勝てずに 柱に取り付けてあった懐中電灯を取り カチっとつけてみると 夢の中だからか あまり使われてない懐中電灯がついたんだ。

それを頼りに ゆっくりゆっくり階段を降りていく。

ギシッ・・・ギシッ・・・ギシッ・・・

木でできた階段で 一段一段降りるたびに ギシッっと木が軋む音が響く。

階段を降りきり 前を照らすとじいちゃんの趣味なのか 骨董品や絵があったんだ。

皿や絵やらが沢山ホコリにまみれてたが ある1つの絵に 目が止まった。

K 「こ・・・これは・・・」

俺の目に止まったのは 和服がはだけ 髪を下ろして色っぽく座っている女性の絵なんだが どこかで見覚えがあるんだ。

K 「ん? この絵の人 あの夢の女とそっくりだ!!」

よく見ると その絵に御札が貼ってあることに気づいた。
K 「なんで 絵に御札はってあるんだ?」

その絵を眺めていると 突然 耳元で声が聞こえたんだ。

絵の女「ふふふ・・・」

K 「?! きた・・・」

また 身体が硬直していったつか! 御札意味してない。

また 金縛りになると その絵から目が離せなくなって その絵から すぅっと女が現れた。

絵の女「ふふふ・・・身体くれまいか?お前の身体くれまいか?。」

K 「 来るな・・・来るな・・・」

その絵の女が 俺の頬に手を当てながら 近づけてくる。

何か鼻をつく嫌な匂いがした 何か腐ったような吐きそうな腐臭だ。

その臭いは 絵の女からしてきていた。

K 「うっ・・・」

絵の女「妾(わらわ)は・・・お主の一族に討たれた 城主の妃(きさき)ぞ・・・ふふふっ」

K 「ううっ・・・」

これは やばい・・・ 殺される・・・俺の祖先が やったこと 俺に言われても困る。

すると絵の女の身体が どんどん肌色からどす黒い緑色になり肉が崩れ落ち ボタボタと床に落ちて 骨が見え始めた。

K 「はぁ・・・はぁ・・・たすけて・・・だれかっ」

その恐怖と言ったら ショック死しそうなぐらいやばかった。

が・・・その時 怒鳴り声が地下室に響いた。

じい「Kぃぃ!!気をしっかりもてぇぇ!!! そして地下室から逃げろ!!」

その声で 俺は金縛りが解け 死にものぐるいで 階段を駆け上がった。

ドタドタドタ!ギャギャ!バタン!

廊下を駆け抜け 居間に転がり込んで 肩で息をしていた。

K 「はぁはぁはぁ・・・」

四つん這いになり 肩で息をしてると 俺の前に誰かが立ったんた。

その気配に気づき 顔を上げると ニコッと微笑む ばあちゃんが立っていた。

ばあ「Kちゃん おじいさんが何とかしてくれるから 安心しなさい そして 夢から覚めたら 実家に向かい あの地下室に入りあの絵をお焚き上げしてもらいなさい そうすれば もう あの怨霊にまとわりつかれる事はないから。」

K 「ばあちゃん!」

俺が ばあちゃんの名前を呼ぶと ばあちゃんは笑顔を絶やさず こう言ったんだ。

ばあ「Kちゃん これからも私達はKちゃんを見守ってるからね? Iちゃんを大事にするのよ? それじゃ そろそろ行くわね?」

と言い ばあちゃんは すうっと消えていった。

その瞬間 感じていた嫌な感じが無くなって 仏壇の遺影を見ると じいちゃんとばあちゃんが微笑んでるように見えた。

そして、意識は現実に戻り 目を覚ました。

K 「ばあちゃん!」

ガバッ!!

I 「うわっ!ビックリした!」

突然起き上がった為か Iがビックして睨んできた。

K 「あっ! I!」

I 「うわっ!なによ!」

気づいたら Iに抱きついていた。

I 「そう言えば あの女いなくなってるね?」

K 「じいちゃんが抑えてくれてるらしい 夢の中で」

俺は 夢での出来事をIに話した。

I 「そう言えば さっきからKの後ろに居るね おじいちゃんにおばあちゃん Kの後ろで寄り添って 優しい眼差しで Kを見てるよ 凄く優しくて暖かい眼差しだよ」

K「そうなの?気配は感じるけど姿が分からない じいちゃん達が 寄り添って笑顔なら俺はうれしいな」

ばあちゃんの言った通り 俺を見守ってくれてるんだなと心が安心してた でも これから心霊体験がほんとに無くなるのか不安だったけど・・・。

俺は Iに夢でばあちゃんに教えて貰ったことを伝えた。

K 「明日 俺 もう一度実家に行ってくるよ」

I 「私も行く K1人じゃ心配だから」

そして 俺はIと再び実家に戻る。

今日は 疲れてたから Iとちちくり合わずに 寝てしまった そんな気分になれない。

そして次の日 俺達は 車で実家に向かったんだ。

高速を走り 数時間後に実家に辿り着いた。

I 「さっ 例の地下室にいくわよ?」

K 「行こう」

玄関をガラガラ開けて 鍵がされてる扉の前についた。

やっぱり鍵がかかってて 入れない。

すると じいちゃんの書斎の方から ゴトンっと何かが落ちる音がした。

俺とIはビクッ!として音のする方を振り向く あそこはじいちゃんの書斎か。

K 「行ってみようか」

I 「初めて書斎にはいるね ?」

そうなのだ ばあちゃんも俺もIもじいちゃんの書斎には 入る事を許されてなかった。

じいちゃんの書斎のドアを開けると 色んな本が棚に入っており 1冊の厚い本だけが床に落ちてた。

K 「落ちたのこれかな?」

I 「見てみなよ?」

俺は その本をペラペラとめくってみると チャリンと何かが床に落ちた。

I 「あっ!鍵!」

K 「ホントだ!こんな所に隠してたんだ」

鍵を拾うと 地下室と書かれていた。

K 「これは南京錠の鍵っぽいな」

I 「ここに隠してなら分からないわね・・・さっ いこ?」

書斎を出で 開かずの扉の前に戻り 拾った鍵を南京錠に差し込み回すと カチャっと錠が外れた。