それなのになんで……。
あ、榛名くんが買って来てくれたのか…。
わざわざわたしのために。
家から薬局遠いし、わたしなんかのために買いに行くの面倒だっただろうに。
なんだか申し訳ない気持ちになって、薬が入った箱を手にとって、錠剤をお茶で流し込んだ。
「はぁ……もう2度と飲むもんか……」
風邪ひかないようにしないと。
とりあえず熱を計るため、自分の部屋を出てリビングに向かった。
しっかり寝て、ご飯も食べて、だいぶ調子はよくなってきていた。
リビングの扉を開けると、シーンと静まり返っていた。
榛名くんは…出かけたのかな、それとも自分の部屋にいるだけ?
あぁ、もう。
別に榛名くんのことなんか気にしなくていいじゃん。