「だったらいーじゃん。誤解させとけば」

「な、なにそれ。意味わかんないよ」


榛名くんは楓くんのことが絡むと、そうやって突っかかってくる。


なにが気に入らないのか、わからない。



「いいよ、意味わかんなくて。どーせバカひなにはわかんないことだろーし」


ほら、またそうやってムキになるんだから。



そして、わたしを部屋に1人残して、どこかへ行ってしまった。


なにさ、バカひなって……。
そうやってムキになる子供っぽいところ直せばいいのに。


「榛名くんのバカ……」

って、わたしも同じように子供か。



ため息が漏れそうになったとき。
ふと、さっきまで飲まされそうになった薬が目に留まった。


あれ……この薬ってウチにあったやつじゃない。

たしか少し前にお母さんが風邪薬を切らしてるって言ってた。