さっきまで近かったのに、簡単に距離を取って、わたしを1人置いて部屋を出て行こうとする榛名くん。
「え……ま、まって榛名くん……っ」
熱でだるいはずの身体は、とっさにベッドから起き上がって、気づいたら自ら榛名くんの背中に抱きついていた。
「え、えっと……ひ、1人にしないでほしいです……っ」
普段1人でいるのは慣れているけど、風邪のときは誰かそばにいてくれないと不安で仕方ない。
今、わたしのそばにいてくれるのは榛名くんしかいない。
「……バーカ」
「え?」
「最初からそーやって素直になればいーじゃん。さびしがり屋の雛乃ちゃん?」
こちらに振り返った顔は、それはそれはとてもイジワルそうな顔をしていまして。
「1人だとさびしいくせに」
「うぅ……」

