「それって男でしょ?」
「な、なんで榛名くんが知って……」
「さっき男に送ってもらうところが窓から見えた」
な、なんだ。楓くんと一緒だったところ見られてたのか。
でも、それとこれと榛名くんが不機嫌なの関係ある?
「か、楓くんにはいつも勉強教えてもらってる……もん」
「へー……楓くんね。どこで勉強教えてもらってたわけ?」
「楓くんの……おウチだよ」
ムッとした顔が見えた。
そして、わたしの手をグッとつかんできた。
「い、痛いよ」
「付き合ってんの?」
「え……?」
「そいつと」
わたしと楓くんが付き合ってる?
いやいや、なんでそんなこと思うんだろ?
そんなわけないのに。
「つ、付き合ってないよ。ただの後輩だもん」
「付き合ってない男の家に平気で行くんだ?」