「……なーに、僕の顔に何かついてる?」


おっと、いけない。
すっかり、この整った顔に見惚れてしまっていた。



首を傾げながら、ひょこっとわたしの様子をうかがってきた。


「っ!」


いきなり顔を近づけられてびっくり。


今なら騒ぐ女子たちの気持ちが少しはわかるかもしれない。



こんな整った顔のイケメンに見られたら普通に心臓がドキッと跳ねる。


動揺して、目線を外してあからさまに距離を取ってしまった。


「あれー、逃げられちゃった」


フッと笑いながら、ジーッとわたしを見ていた。


「逃げないでこっちおいで?」

「な、何言って……」


ちょいちょいと手招きをして、わたしが近づいてくるのを余裕な顔で待っている。