「見ないなら返してもらうけど」
「み、見ます見ます…!!」
スマホを取り上げられそうになってしまったので、あわてて電源ボタンを押した。
画面がパッと明るくなって、
ホーム画面の画像がはっきり見えた。
「……え、えぇ!?な、何これ!?」
ホーム画面の画像を見て、叫んでしまった。
いや、だって叫びたくもなるくらい衝撃。
「……はい、もう見たから返して」
「えっ、あっ、えぇ!!」
スマホを取り上げられるときに、チラッと見えた榛名くんの表情はだいぶ照れていたように見えた。
「はぁ……ほんと恥ずかしすぎ」
「えっと、えっと…いまのって」
動揺するわたしを黙らせるように、再び抱きしめながら「早く寝て忘れて」と言われてしまった。
忘れてと言われても忘れられるわけがない。
たぶん今のわたし嬉しくて頬が緩みまくりだと思う。