「……あんまなめてると本気で襲うよ」
たぶん……ここで拒否をしなかったら、榛名くんは止まってくれないと思う。
だって、いつもよりわたしを見下ろす瞳が熱を持っているから。
「榛名くんにならいいよ……」
そう言いながら、榛名くんの頬に手を伸ばして、目をギュッとつぶって、初めて自分からキスをした。
軽く触れるだけ。
それが今のわたしには精いっぱい。
つぶっていた目を開けると、
榛名くんが驚いた顔をしていた。
「……そんなかわいいのどこで覚えてきたの」
若干、呆れながら頭を抱えてしまった。
「思ったこと自然に言っただけだよ…?」
「……かわいすぎてタチ悪い」
そう言うと、わたしの上から退いて、
隣にバタッと力なく倒れた。
そして、そのままおとなしくわたしを抱きしめてくれた。

