すると、少しだけ榛名くんの身体がピクッと動いた。
「……そーやって身体引っつけるのダメだってほんと」
ボソッと余裕のなさそうな声が聞こえた。
ほら、やっぱり起きてたんだ。
「起きてるのに返事してくれないんだもん」
「……もう寝てるから」
一向にこっちを向こうとしてくれない。
素っ気ない態度にさびしさが増してくる。
「こっち向いて……榛名くん」
「……やだ、無理」
「抱きしめてくれないとやだ……」
「……抱きしめたら抑えきかなくなるから無理」
「榛名くんの頑固……。だったらいいもん。
このままくっついて寝るもん」
絶対に離れてやるもんかって気持ちで、さらに抱きつくと、ため息が聞こえてきた。
そして、さっきまで背を向けていたはずなのに、体勢を急にくるりと変えて、覆いかぶさってきた。

