「な、なんで、キスなら今したじゃん…！」
「あれは僕からだし。ひなからしてほしいって言ってんじゃん。ついでにさー、榛名くんじゃなくて下の名前で呼んでみてよ」
む、むりむり！！という意味を込めて、首を全力で左右に振る。
キスも無理だし、下の名前で呼ぶなんてもっと無理！！
「早くしないとまた僕からするよ？」
それはもう、危険な笑みを浮かべて、
逃がさないという瞳でこちらを見ながら。
「……息できないくらいのやつしよーか」
「っ！」
榛名くんの綺麗な顔が少し傾いて、唇に触れそうになった寸前。
これはまずいと思いとっさに止めに入った。
「ま、まって……っ！！」
「なに、自分からする気になった？」
自分からキスするなんて、すごく恥ずかしい……。いや、もう恥ずかしいって言葉じゃ足りないくらい。
だけど、息ができないくらいにキスをされるのも困ってしまう。
