「じゃあ、ひながもっかい好きって言って」
「……えっ!?」
「昨日花火の音のせいで聞こえなかったし」
う、嘘だ……!
絶対聞こえてたくせに…!!
「もっかい聞きたい」
ほんとに、榛名くんのお願いの仕方はずるい。絶対に嫌だと言えない。
「っ、……き……」
「ちゃんと言って」
「……す、き……です……っ」
「誰のことが?」
相変わらずわたしを見る顔は、イジワルで、
楽しそうだ。
「は、榛名くんのことがすき……です」
やっと言えたら、
甘いキスが降ってきた。
そして、キスをおえると、
わたしの耳元でそっと……。
「好きだよ、雛乃」
甘くささやかれた。

