幼なじみの榛名くんは甘えたがり。




「じゃ、じゃあ……涼川さんとはほんとに何もなかったの……っ?」


そっと身体を離して、榛名くんの顔をしっかり見て聞いた。



たぶん不安だって顔に出ていると思う。
榛名くんはそれに気づいてくれたのか、
わたしの頭を軽くポンポンと撫でてきた。



「……なんもないよ。だって僕は雛乃しか欲しくないから」


「ほ、ほんとに……っ?」


不安で不安で仕方なくて、瞳にさらに涙がたまって、声が震えてしまう。



「ほんとだって。試すようなことしてごめん。ひな以外の子とか興味ないし」


「う、胡散臭いよ……っ」


なんか今まで散々振り回されたせいで、
つい出てきてしまった言葉。



「へー、なんか地味に傷つくね。それは僕の好きって気持ちが全然伝わってないって受け取っていい?」



ニヤッと不敵な笑みを浮かべてわたしを見下ろしている危険な榛名くんがいた。