ギュッと抱きついたまま、再び眠ろうと目を閉じた時だった。
「……朝から大胆」
「へ……?」
あ、あれ……?今なんか耳元で声が聞こえたような気がするんですけど。
驚いて榛名くんの胸に埋めていた顔を上げると、さっきまで眠っていたはずの榛名くんが、ばっちり目を開けて起きていた。
おまけに、なんともイジワルそうな笑みを浮かべてわたしを見ている。
「どーせなら起きてる時に積極的になってよ」
「お、起きて……っ!?」
「もちろん。ってか、ほぼ寝てないし。
さすがにこの状況で寝れるほど余裕ないし」
「うぅ……な、なんで起きてるって教えてくれないの…っ!」
わたしが必死に瞳で訴えるけど、それは見事にスルーされてしまって。
「朝から誘ってくるとか積極的」
「は……い?」
「ひなから僕に触れたじゃん」
ニヤッと笑った。
あ……この笑みはとても危険だ。