夜空に打ち上げられる花火の音なんて、
もう聞こえないくらい、触れた瞬間、意識がすべて榛名くんにもっていかれた。


思わずギュッと目をつぶった。

優しく、そっと触れるだけのキス。


たった一度のいまのキスで、わたしの頭の中はパンク寸前。



そして、ゆっくり唇が離れた。


つぶった目をそっと開こうとしたら、
息をする暇もなく、再び重なってきた。


「……んぅ……っ」


さっきしたのより、だいぶ強引で、
唇の感触をたしかめるようなキスに身体が痺れてくる。


思わず榛名くんの服の裾をギュッと握る。


息が続かなくて、苦しいのに、
甘くてとろけちゃいそう……なんて、変な感覚だ。



「も……う、ダメ……っ」


キスに身体がついていかなくて、膝がカクッとなって、身体のバランスを崩した。


とっさに榛名くんが支えてくれた。