幼なじみの榛名くんは甘えたがり。




ずっと、先輩と後輩っていう関係を崩さずに……。


こんなわたしを、好きでいてくれて…。



「雛乃先輩……いっこだけ聞いていいですか?」

「な、なに……?」



何を聞かれるんだろう……と、不安な要素を抱えながら返事をした。


たぶん、核心を突くようなことを聞かれるんじゃないかと直感で思った。



「いま……誰のこと想ってますか?」



思わず、息をのんだ。


あまりに直球すぎる質問は、わたしの胸に刺さった。


たぶん、いちばん突かれたくない核心を突かれてしまった。


今まで、散々自分が逃げて出さなかった結論。


もうそろそろ、気づいてもおかしくないんじゃないかって……。



しっかり向き合わなかったから、気持ちがゆらゆら揺れたまま、自分の知らない感情に襲われてばかり。


だけど、その知らない感情が芽生える時は、どれも榛名くんが関わっている時だけだ……。