あからさまに避けたような態度を取ってしまって申し訳ないと思う。
だけど、今のわたしには前みたいに接することができない。
もう楓くんは、ただの後輩じゃないんだと意識すればするほど空回りしてばかりだ…。
委員会は30分程度で終わり、解散になった。
何事もなく終わり、席から立ち上がって、足早にここを去ろうとした。
だけど……。
「雛乃先輩……」
後ろからわたしを呼ぶ楓くんの声がして、
思わず逃げるように飛び出してしまった。
……わたしすごく最低だ。
聞こえていたのに、聞こえていないフリをして、無視をするなんて……。
わたしは何に対しても、誰に対しても、こうやって逃げてばかりだ……。
心が弱くて、まともな結論も出せない。
ほんとに典型的なダメ人間だ。
瞳に少しだけ溜まった涙を、自分の手で拭って、教室にカバンを取りに戻った。

