あれから数日。


いつもと変わらない朝が来た。


目が覚めてベッドから身体を起こし、時間を確認して部屋を出てリビングに向かう。



眠い目を冷ますために、先に顔を洗い、歯を磨いた。


「はぁ……」


水で顔を洗って、さっぱりしたはずなのに、
気分はなぜかどんより重い。



鏡の前にある自分の顔は冴えない顔をしている。


結局、あのあと榛名くんはわたしに何も言ってくることはなく、保健室を出て行ってしまった。


残されたわたしは、何が起こったのか把握できずに、ひとり呆然としていた。


いまだに……唇に残る感触が消えない。



変なの……、あんなキス早く忘れてしまえばいいのに……忘れられないなんて。



気合いを入れるために、自分の頬を軽くパチっと叩いた。


そして、朝ごはんを作るために、リビングに向かった。