「ほーら、早く言わないと無理やりするよ」
「っ……」
「あと5秒だけ待ってあげる。
5秒以内に何も言わなかったら覚悟して」
そう言って、榛名くんが5秒からカウントを始める。
今ここで、わたしはどちらの選択をするのが正しいのかなんて、たった5秒の間で決められるわけがない。
どんどん迫ってくるカウントに焦りを感じるけど、どうすることもできない……。
そして、5秒という短いカウントがあっという間に終わってしまった。
「あーあ、時間切れ」
フッと笑った。
そして。
「ひなが悪いんだよ。ちゃんと時間あげたのに答えないから」
「だ、だって時間が短すぎて……」
「言い訳は聞かない。僕の気がすむまで黙ってて」
「ま、まっ……んんっ」
唇が無理やり押し付けられた。

