さっきから身体が熱いせいで、髪をかきあげる時に、榛名くんの冷たい指先が少しだけ首筋に触れた。


「……ひゃっ」



自分の体温とは正反対すぎて、思わず声が出てしまった。



「あーあ、そーやってまた誘うような声出すから」


「い、今のは、榛名くんの指先が冷たくて……っ」


「んー、何言ってるか聞こえない」


聞こえてるくせに、わざとわたしの首筋を指でなぞってくる。


ゾクゾクする感覚に襲われて、
慣れない感覚に身体が抵抗する。



だけど、榛名くんの長い腕がわたしの背中に回ってきていて、離れることを許してくれない。



「イジワルしないで……っ」


わたしが必死に訴えても、榛名くんは聞いてはくれない。


「ひなが悪いんだよ。最近やたら僕のこと避けるから」


今度は、わざと耳元で鼓膜を揺さぶってくる。