さらに、強く抱き寄せられて、
ベッドについていた片膝がバランスを崩してしまった。



これでわたしを支えるものがなくなり、
身体のぜんぶを榛名くんにあずけて、胸に飛び込んでしまった。



思っていたより近くて、距離を取ろうと榛名くんの胸を押し返した。


だけど。



「抵抗したらダメ。いま僕言ったよね、ひな不足で死にそうなんだって。だから、大人しくこのままでいてよ」



大人しくこのままって……。
できるものなら、大人しくしていたいけど、


さっきから、胸の鼓動がバクバクうるさい。



全力で走ったせいなのか、
それとも、榛名くんに抱きしめられているせいなのか。



全てを榛名くんにあずけていると、
首筋にかかっていたわたしの髪に榛名くんが触れた。