わたしは、その誘いには乗らずに、スマホの画面を榛名くんに見せる。



「倒れたって、助けてって言ったくせに……。すごい元気じゃん……」



ほんの少しでも体調が悪いのかもしれないと心配した気持ちを返してほしい。



「助けてほしいから呼んだ」


「な、なにそれ……っ。とても助けてほしそうには見えないよ」


今の榛名くんはとても助けを呼んでいる人とは思えないくらい、いつもと変わらない。



「助けてよ」

「え……?」


榛名くんが身を乗り出して、わたしの腕を強引に引いた。


そのまま引き込まれたわたしは、ベッドに片膝をついた。



ベッドに乗った重さで、
ギシッと軋む音が聞こえて……。


視線を少し下に落とせば、目の前には榛名くんの顔がある。



「……ひなが足りなくて死にそうなんだよ」