「お休みの時にいきなり来て迷惑でした?」

「……う、ううん……だ、大丈夫」


わたしが目を合わせないように話すと、
楓くんはわたしの顔を下から覗き込むように見てくる。


バチっと目があって、身体が縮こまった。



「寝起きの先輩って可愛いですね」

「……っ!?」



「いつも可愛いですけど、寝起きって無防備な感じしてすごい好きだなーって」


可愛いなんてストレートに言われたら照れるに決まってる。



「……え、えっと、今日はどうかしたの?」


とりあえず、話題を変えるために、
必死に言葉をつなぐ。



「先輩とデートしようと思って」


でーと?

デート?


「で、デート!?」


またしても声のボリュームを抑えることができなくて、バカみたいなリアクションをしてしまった。


「2人で行きたいところあるんです。よかったら付き合ってくれません?」