そのひと言で、喉に引っかかっていた
言葉が出てきそうになる。
「き、聞いたら……答えてくれるの……?」
あぁ、言ってしまった。
ほんとは、こんなこと聞くつもりなかったのに。
「気になることがあるなら答えるけど」
「っ……」
聞いてしまいたい……。
こんな時間まで、誰と一緒だったのか。
気になるのは、この一点だけ。
だけど、聞いてしまって、
もっと苦しい思いをすることになるなら聞きたくない。
もし、女の子と一緒だった……なんて言われてしまったら、すごく嫌だと思ってしまうのはどうして?
「きょ、今日……」
「ん?」
緊張して、うまく言葉を繋げない。
下に俯いて、制服のスカートをギュッと握って、いま出せる精いっぱいの声を出した。
「榛名くんは……誰と一緒だったの……っ?」