「家から遠いっていうのはほんとだったけど、同居の話を頼んだ時は、そんなのただの口実にしかすぎなかったし」


これだけ榛名くんが自分のことを話してくれたのは初めてかもしれない。


ただ、それを全て受け止めて、整理しきれていないのが今のわたしの現状だ。



「いつもさー、雛乃より余裕な態度ばっかりとってたけど、実際はこんなもんなんだよ。ダサいよね、ほんと」



ベッドに片手をついて、重心を後ろに倒して、天井を見上げる榛名くん。


そんな姿を見て、なんでかわからないけど、
胸がギュッとなった。



「だ、ダサくなんかないよ……っ」

「……?」



「い、今はちょっと、頭の中が整理しきれてなくて、うまく言えないけど……。で、でも、榛名くんがこうやっていろいろ話してくれて、う、嬉しかったよ……?」