少しの沈黙のあと、榛名くんは、わたしの上からどいた。
そして、ベッドの上に座ったまま。
何かを考えている様子。
わたしも身体を起こして、少し距離をあけて座る。
そして、さらに衝撃の事実をわたしに告げる。
「この同居さ……」
少し言うのを戸惑いながら。
ひと呼吸置いて。
「僕が無理やり頼んだんだよ」
「……え?」
榛名くんが、この同居を無理やり頼んだってどういうこと?
混乱に、混乱を重ねてくるから、
わたしの頭は、もう限界寸前まできている。
「高校が今の家から遠かったっていうのは事実だけど。別に通えないほどの距離じゃなかった。それに、もともと、この高校には進学するつもりもなかったし。ほんとは家の近くにある高校に進学するつもりだった」
さらに榛名くんは話し続ける。
「だけど……中学3年の時。雛乃のお母さんに偶然会った時に、雛乃の進学先聞いて、同じところに通いたいと思って、ここを選んだ」

