「それにさー、ひなも思わせぶりな態度とるから、あいつ誤解するんだよ」


「思わせぶり……?」



「そうだよ。あいつ絶対ひなのこと好きじゃん。ひなはあいつのこと好きじゃないんでしょ?」


「ちょ、ちょっとまって…!か、楓くんは別にわたしのこと好きじゃな……」



「そーゆー鈍感なところ直したら?だから、あいつに迫られるんだよ。隙ありすぎ」


急に榛名くんの口調が荒くなって、どう対処したらいいのか、戸惑ってしまう。



「男はみんな危険だと思いなよ。楓くんだってひなにはいい後輩にしか見えないけど、あいつだって、ただの男なんだから」


やっぱり、榛名くんは楓くんのことを否定してばかりだ。


「か、楓くんは悪い子じゃ……ないもん……っ」


少し強気に言い返すと、それを跳ね返すように榛名くんがわたしに迫ってきた。