榛名くんのマイペースな性格に振り回されてばかり。
だけど、いなかったらいなかったで、意外と寂しく感じてしまって……。
なんだろう……。
これだけは言える。
きっと、
わたしの中で、榛名くんの存在は、
確実に大きくなってきている……。
今はこの気持ちが、はっきりしたものじゃなく、曖昧なものでしかないから。
榛名くんのことが好きなのかとか、明確にはわからない。
ずっと、黙ったまま、
わたしの答えを待ち続ける榛名くん。
こうやって見つめられているだけで、
もう、自分の心臓が持ちそうにない。
恥ずかしさで、さっきよりも顔が熱くなるし、瞳にじんわり涙が溜まる。
「っ、……その顔はずるい」
「ぅ……」
「逃げないってことは……嫌じゃない?」
「っ……」
声が出なくて、首を横に振る。
「じゃあ……嫌ってこと?」
ここで首を縦に振るべきなのに、
どちらにも動かさないわたしは何を考えているの?

