幼なじみの榛名くんは甘えたがり。




「へぇ、家で勉強したんだ?普通好きでもない子にそこまでしないと思うけどねー」


付け加えて、「その好きな人が雛乃だったりして」なんて言われてしまった。



杏奈とそんな会話をしていたら。



「おーい、成瀬!ちょっといいか」


廊下のほうからわたしの名前を呼ぶ声がして、振り返ってみると、図書委員の担当の原田先生がいた。


「なんですか?」


要件を聞くため席を離れ、原田先生がいる廊下のほうへ。


「お前今日ひまだよな?」

「はい?え、もしかして仕事ですか?」



「おぉ、勘が鋭いな。そうだ、仕事だ」

「あぁぁぁ!!先生、わたし今から用事が……」


「成瀬……お前は嘘をつくのがとことん下手なんだな。そんなくさい芝居なら誰も騙せんぞ?」


く、くそぉ……!
ってか、委員会でもない日に仕事なんて勘弁なんですけど!!