あわてるわたしに、榛名くんはズンズンこちらに近づいてくる。


「ちょ、ちょっ!!」


逃げるように部屋を走り回るわたしを
追いかけてくる榛名くん。


そして、わたしの顔の前に、いきなりボトルを見せてきて。



「シャンプーない」

「……へ?」


顔を覆っていた、手を少しどけて見ると、
シャンプーのボトルを手に持っている榛名くん。


「これじゃ頭洗えない」


「え、あっ、えっと、シャンプーの替えは、洗濯機の横の棚に入ってるから……!!」


とりあえず目のやり場に困るので、目の前のシャンプーのボトルにひたすら視点を合わせる。



「ねー、ひな?」

「な、なに!」


「なんで僕のほう見ないの?」


み、見れるわけないじゃん!!
今の自分の格好わかって言ってるの!?


お願いだから、何も言わずわたしの前から去っていって…!!