ー桃音sideー



「「よろしくお願いします!」」






決勝だー!相手は2組か〜








「1組Bチームファイトー!!」







と応援してくれるみんな。








「勝とう!」







すみれがそう言って手を出す。







「仕方ないから本気出してあげるわよ」








「華が出すから私も〜」








「絶対に勝ちましょう!」






みんなが手を重ねる。








私も手を置いた。







「桃音、何か言ってよ」








華ちゃんがそう言う。







「え、えーと、じゃあ。」







すーっと息を吸い込んで、







「Bチーム!絶対に勝つぞ!」






とありきたりだけど叫んだ。







「「おぉーー!!」」







みんなそれに合わせてくれて、円陣が決まった。







ピー!!!








2組の女の子がボールをとって走り出す。








それをガードするようにたって、横からすみれがボールを奪い取る。







「華!」





すみれが華にパス。








華がドリブルして、







「北…夢香っ!」






と北大路さん…夢香ちゃんに渡した。








「ふぇ!?」







びっくりしたような声を出したけど見事にキャッチして、






「おの、、桃音ちゃん、パスっ!」







とボールを回してくれた。







私のこと桃音ちゃんって!という感動も持ちつつドリブルをして、






バサッと1点目を先にとった。








「桃音〜っ!頑張って〜!!」








琴乃の声が聞こえる。







負けるもんかっ!









そう思ってボールを取ろうとするけどさすが2組。読むようにそれを回避して点を決めてくる。







ラスト2分。点差は…2点で負けていた。








もう勝つには…スリーポイントを1回入れるしかない!







そう思うがなかなかボールが取れない。








残り1分。








「まだいける!走れ!」







先生の声が聞こえる。







勝ちたい!でも取れないっ!






みんな苦戦しているとき、







「桃音、走れ!」







応援席から、奏斗くんの声。








私まだ走れる!








奏斗くんの声を聞いた瞬間そう思い、体が走り出してて、








相手の子のドリブルをとめて、ボールを奪えた。







残り10秒。








「投げろ!」







また奏斗くんの声。







絶対に入れる!いや、絶対に入る!







そう思って私は勢いよく投げた。









そして、そのボールが、







バサッ…と









ゴールに入って、







ピー!!!







「「きゃーーーーっ!!」」







1組のみんなの声。







「か、勝った!?」







「か、勝てたようです!」







「桃音、ないすじゃん。…かっこよかった」








「華の褒め言葉はレアだよ?」







結果は、12対11で優勝だった。








「やったーー!!!」







勝てたんだ!







「「ありがとうございました!」」






挨拶が終わって、コートを出ると







「桃音っ!おめでとう!」






と琴乃が飛びついてきて、







「うわ!うん!勝てた!ありがとう!!」







と抱きつき返す。







「桃音ちゃん、最後やばすぎ!
おめでとう!」







蒼くんがそう言ってくれる。








「ありがとう蒼くん!!」







「桃音、おめでと」







そう言って笑ってくれる奏斗くん。







ドキッと顔が真っ赤になる。







「う、うん!ありがとう奏斗くんっ!」







奏斗くんはおつかれっと頭を撫でてくれる。








それで私は気づいた。







さっき、奏斗くんの声を聞いた瞬間力が出たのも、奏斗くんの手は安心するのも、奏斗くんが女の子と仲良くするのが気に入らないのも、全部…








奏斗くんが好きだから…と。







「桃音、わかった?」







私の考えてることに気づいたのか、琴乃がそう言う。








「うん、わかった。私、好きなんだ。」







「うん、桃音は奏斗くんのこととっくに好きだったんだと思うよ」







琴乃はそういった後に、







「表彰式終わったら蒼は私が預かってあげるから、行ってきなさい!」






って言ってくれた。








はやく返事をしなくちゃいけない。







いや、したい。







そう思った。







「うん!!ありがとう琴乃!」







私は琴乃に飛びついた。