扉を開けた瞬間、






「桃音、下がって!」








え?私はぴょんっと急いで下がる。








ぱふんっ!と黒板消しが落ちてきた。









「なに、これ?」








なんじゃこの小学生低学年がやるような低レベルな仕掛けは!?








「引っかからないとかつまんな」







教室から、出てきたのは…







演技を外したラスボス。







「ふーん。仲直りしたんだ」







「だったら何?」






琴乃も負けじと言い返す。







わ、私もなにか…。でも何を言えば?







「桃音ちゃんを1人に出来ると思ったのにさーまじ琴乃ありえない!」






椛ちゃんが言う。








「ほんと、なんでそんなやつ庇うのか理由が知りたいわ。」







「あんたたちがそこまで桃音を狙う理由も知りたいわよ」








「「なになに?けんか?」」





クラスの人らが周りに集まってくる。








「あんたら、何が楽しいわけ?自分たちが上にいることがそんなに快感?ばっかじゃないの?」








「あんたたちになに言われてもなんも感じないわよ。そうよ、気持ちがいいの。」







「華はこのクラスのリーダーなのよ?逆らうとか終わってるわよ」







「「そうだよな…華ちゃんは…」」





「「あいつはむりだ。」」








「あんたたちに味方はいないわけ」







「ほんと、琴乃もこっちにくればいいものをね。こんなやつ庇って。友達やめたんじゃないの?よく許したわね。自分だけが逃げたやつなんて」








「私は、逃げてなんか…」








「感ずいてたでしょ?華のほんとの狙いが桃音ちゃんだって!それなのに、琴乃ちゃんは守るとか言って逃げたんだよ?」








「それは…。」








こいつら、バカなのかな?







琴乃が逃げた?そんなことないじゃん。







「あんたはほんとクズね!」







華ちゃんが琴乃にそう言う。






クズ?最低?






そんなのあんたたちだろうが!!





ブチッと私の中で何かが切れた。








「最低?それは、あんたたちでしょ?」








「なに?負け犬の遠吠え?」







「それは、あんたたちでしょ?ホントの仲間がいないからってふざけてんじゃねぇぇ!」







私は思いのまま叫んだ。







「琴乃は逃げてない!逃げない!だって、強いんだもん!私の最高の友達なの。琴乃の悪口言うなら、私を通しなさいっ!!」







はぁはぁ。言い切ったっ!







「桃音…。ありがとう」







「うんっ!琴乃!大好きっ!」






ぎゅっと琴乃に抱きつく。








「あ、あんたたちなんて…」






「いい加減にしろよ」







後ろから声が聞こえて、振り向いたらそこには…








「頑張ったな、桃音。」






「琴乃やっぱかわいい!」






奏斗くんと蒼くんだった。







「蒼くん!?高校違うのになんで!?」







「俺、転校しちゃった♪」







な、なんてこった!?






「か、奏斗くん…」






華ちゃんはびっくりしたような顔で2人を見ている。







「それに、奏斗くんの隣って…」







「ひっさしぶりだね?雛川ちゃん?」






真っ黒い顔をしてる蒼くん…。






こっわ!?!





「なんであなたたちが!?」







「桃音のことだからな」







奏斗くんはそう言って、私の頭をぽんぽんって撫でてくれる。






「な、なんで!?なんで小野寺たちばっかなのよ!?」







華ちゃんが崩れ落ちた。







「好きな人も全部奪われた。その女に!」







私!?なんで!?







「好きな人って…」







「華の好きな人は、菅木 翔吾だよ。覚えてるでしょ?桃音ちゃん」








「菅木くん…?あ、転校しちゃった…」







菅木くんは、私が高校1年のときの同じクラスだった男の子。






転校しちゃったんだけどね。







転校する前の日、私は屋上で彼に告白された。でも私は男の子恐怖症のために、彼の告白を断った。








「言われたわ。彼に…小野寺さんのことが好きなんだって。」







華ちゃん…多分泣いてる…







「そんなん、逆恨みだろーが桃音は「ごめんなさい!」」







奏斗くんの言葉を遮って、私は謝った。








「な、なんで桃音が謝んの!?悪くないでしょ!」






琴乃が私を止めようとする。






でも、私は…








「私が華ちゃんなら、好きな人とられちゃったらきっと泣いちゃうし、悔しいから。」







「何、言って。」








「華ちゃん!好きな人とったのは、私気づかなくて…でも、華ちゃんには今も大切な人がいるでしょ?」








「私にも…大切な人が?」








「うん。ここに!」






それは、椛ちゃん。







「も、みじ…」








「分かってた。華がほんとは桃音ちゃんのこと恨んでないこと。止めてあげられなくて、ごめんね。」







椛ちゃんは、泣いてる華ちゃんのもとへ歩み寄って、そう言った。







「わ、わたしこそ、ほんとに…ごめんなさい。。椛…。琴乃。。桃音も…」







「はぁ。許してやるわよ」






琴乃は素直じゃない。





でも、顔はほんとに嬉しそう。








「椛ちゃん大切にしなよ!私にとっての琴乃をみたいなもんだもんっ!」








「うん…。ありがとう椛。」







「華っ!」








女の友情は素晴らしいなぁ。







ん?なんか忘れてるような…








あ!







「奏斗くん…。あ、あと蒼くんも…」







「桃音」







ひっ!怒ってる?









「よく頑張った。かっこよかったよ」








そう言うと奏斗くんはちゅっと誰にも見えないように頬にキスをしてきた。








「/////!?」







恥ずかしすぎて何も言えない私。









「帰ったら覚えとけよ」








「え?」








「テイクアウトの意味教えてやるよ」








な、なんか怖い!







「け、結構です!」








「おいー!俺らがいるとこで口説くなよ〜。な、琴乃?」







「知らない〜!てか、桃音はまだテイクアウト知らなくていいの!」








「琴乃、結局昨日我慢…「あわわ!だまれだまれー!」」







ぷぷ!仲いいなぁ









そう思って見てると、ぎゅっと手を握られた。








「奏斗くん…?!」







「かわいい」






ドキッ






キスからもう心臓痛い…








奏斗くん、蒼くん、琴乃、みんなのおかげで華ちゃんと椛ちゃんと決着がつきました!








みんな、ありがとうね!







直接言うことは絶対にしないけど!