ー桃音sideー





「ごめんね。奏斗くん勝手に私たちで決めっちゃって。」






「いえ、大丈夫ですよ。おめでとうございます。」






「ふふふ。ありがとうね〜。奏斗くんのお母さんも海外で活躍してるんでしょ?」






え、そなの!?







私よく考えたらほんとに何も知らないな。








「なんの仕事をしてはるの?」







「母さんはモデルなんだよ。」









「そうよ〜、奏斗くんのお母さんとはモデル時代からの友達なのよ!」







「すごいね!モデル仲間だったんだ!」







モデルってすごいな〜。







きっと可愛い顔なんだろうな〜








だから千羽くんイケメンで有名なんだなー








私はお母さんの可愛い顔全然遺伝しなかったから羨ましい…。








「奏斗くんほんとに大きくなったのね〜」








「最後に会ったのっていつなの?」







「桃音が3歳の時からは、2人は会ってないわね〜!お母さん達は何回か会ってるんだけどね。」










「そうなんだ。全く覚えてない…。」







「俺も覚えてないな。」









まぁ3歳だもんね。何年前なんだろ。









「お母さんご馳走様!
今日は私が片付けるよ〜」









「助かるわ〜。」








「俺も手伝う。」






「いや、千羽くんはお部屋の片付け終わらしちゃった方がいいよ!」







片付けと洗濯は家事の中でも得意!








料理も好きだけど!







「あ、じゃあお母さん、お父さん迎えに行ってくるわ。そろそろ駅に着いてるだろうし」







「はーい!行ってらっしゃーい」








よし!さっさと片付け終わらしちゃおっと。








グラタンのお皿は洗いにくいからとりあえず水につけておくか…。









あ、コップは食洗機にいれて、








お風呂沸かさないと!








「ふふーんふーんふーん♪♪」







鼻歌歌いながらの家事はね、








なんかたのしいんだよね〜!









「よし!片付け終わり〜!!」









「お風呂先入っちゃおっと」







ピロリーン♪






ん?メールかな?







あ、琴乃だ!






琴乃は私の幼稚園からの友達!








学校でもずっと一緒にいるくらい、







ずっと仲良しなんだよね!






しかも、クラス離れたことないの!!








もう最高の友達!









「桃音!!聞いて〜♪ずっと言ってた【少年BOYS】のコンサートチケット当たっちゃったの!!しかも、4枚もGETしちゃった!それで蒼も誘おうと思ってるから、桃音も行かない?もう1人は桃音の好きな人でも誘って!今度の土曜日ね!」






え、すごい!【少年BOYS】のコンサートチケットの倍率ってやっばいんだよ!?






あ、蒼ってのは、琴乃の彼氏さん。








直接顔は見たことないんだけど、







いい人らしい!イケメンとも聞いた。









琴乃がいってる塾で知り合って、







付き合ったらしいから、







学校も違うくて会えない時が多いらしい。








うーん。もう1人か〜。







あ!そうだ!千羽くんでも、






誘おうかな。今度の土曜日ってもう2人になっちゃってるし。







とりあえず誘ってみようかな。








コンコン






「何?」







「入ってもいい?ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」







「あー。いいよ。」







「お邪魔します」






うわ!片付けはや!綺麗すぎる…







「で、どした?」








「あのね、琴乃がさ、あ、琴乃っていうのは友達なんだけど、今度の土曜日にね【少年BOYS】のコンサートチケット当てたらしくて!一緒に行かない?って言われたんだけど…」








「琴乃って、速水か?」






「そうそう。って知らないわけないか…同じ学校だしね。」







「速水に悪くねーのか?」






「琴乃も彼氏連れだし!」








「じゃあ、聞いてみてよ。それで、速水がOKなら行くことにする。」








「了解〜!返事来たら言うね」







よし!琴乃に送信っと♪






あ、返事きた!はっや!?






「千羽くんってあの、千羽 奏斗!?うそ!?いつ仲良くなったのよ〜。桃音あんまり、男子と話さないのに以外!了解!もちろんいいけど、コンサート見る時はデートって形にしたいから桃音は千羽と見てね!せっかく会えるんだもん…デートしたいし!お願いよ!」






たしかに…ひさしぶりに会うらしいし…。





聞いてみるか!







「千羽くんは、私と2人でコンサート見ても大丈夫?」







「別にいいけど、結局OKってことでいいんだよね?」









「あ、うん!」








「じゃあ、今度の土曜日空けとく。」







「よろしく!お邪魔しました〜!」








よし!そろそろお母さんも帰ってくる頃だしお風呂入ろ。







お風呂から上がった頃にはお母さんもお父さんも帰ってきていた。








ー奏斗sideー





あいつどんな時でも笑顔だな。







まー元気なのはいいことだけど。







片付けも全部一人でやってるし、






部屋の片付け手伝ってくれた時も、






すっげー手際よかったし。








「今度の土曜日にね【少年BOYS】のコンサートあるんだけど、行かない?」








【少年BOYS】は男子から見ても女子から見てもかっこいいグループ。






正直楽しみ。







今度の土曜日は楽しみだな。







ガチャり






「ただいま〜♪」






「ただいま。」






2人が帰ってきたようだ。







「これから少しの間お世話になります。」







小野寺の御両親に挨拶。







「大きくなったな、奏斗くん。久しぶりだね。元気にしてたかい?」







「はい。お久しぶりです。」







「奏斗くん身長伸びてほんとにかっこよくなっちゃったからモテモテでしょうね!」








「桃音のこと頼むよ。あの子は素直になれない子だからな。」










「こちらこそ。いつも笑顔ですよね。いつも元気で学校ででも有名なんですよ。」









「桃音は、泣かないんだよ。もう小学校から泣き顔見たことないな。」







「そうなんですか?」










「そんだけ成長したってことよ!」








「あ、お母さん達帰ってたんだ!お父さんもおかえりなさい〜」





いつの間にかお風呂から出た小野寺がリビングに来ていた。










「ただいま。桃音、学校はどうだった?」









「普通だよー!あ、今度の土曜日コンサートいくの!琴乃とね!千羽くんも!」








「それって【少年BOYS】?」








「そうそう!!楽しみ〜」








「琴乃ちゃんに宜しくね♪」







「はーい!じゃおやすみ〜」







そう言って部屋に戻っていった。








「奏斗くんもお風呂はいってきたらどうだい?」








「はい。行ってきます。」








小野寺の父さんの泣かないんだよ。って言葉がずっと引っかかってた。









俺、なんからしくねーな。








女なんて興味ねーのに。







なんか、小野寺のことは知りたくなる。








そんな俺が本気で小野寺に惚れるのは






もう少し先の話。








ー奏斗sideー 終