それは絶対に私が見た夢と同じとこだ!
「私もね、そこで昨日…。おばあちゃんに会ったの。」
「は?お前も?」
コクコクと頷く。
「なんか、おばあちゃん言ってたのか?」
「うん。昔みたいにね、元気をくれる言葉たくさんくれたの。」
そう私が言うと、
「そうか。良かったな。もっかい大切な人に会えて。」
と、言ってくれた。
「うんっ!」
私はそう言ってくれたことが嬉しくて大きく頷いた。
「その顔、いいな。ほんとに、好きなんだなって分かる。」
顔?
「どうゆうこと?」
「桃音、顔にすぐ出るからさ。笑顔で言う時なんてほんとに大好きなんだなってすぐに分かるよ。」
って微笑みながら奏斗くんは言う。
笑顔に、なってたの?
今、私が?
「笑顔になってた?私が?」
「うん。すっごい嬉しそうにな。」
「気づかなかった…。」
知らないうちに笑ってたなんて。
「自然に出るもんなんだから、気づいてなくて当たり前だろ。」
「自然に、出る…。」
それは、おばあちゃんが言ってたこととおんなじだ。
「桃音?」
「いや、おばあちゃんもね、同じこと言ってくれてたから。」
「そうか。たくさん話せたんだな。」
奏斗くんは、私の短い言葉で全てわかったように笑って頭を撫でてくれた。
「うんっ!元気もらった。昔みたいに。」
「そうか。今いい顔してる。」
「へ?あ、ありがとう。」
な、なんかいちいち報告されると照れる…。
「あれ、真っ赤。」
「うっさい〜!!」
おばあちゃんの言う通り、
楽しい時に自然に出た笑った顔。
奏斗くんといるときは普通に出ちゃうなんてなんか不思議だな〜。
「桃音、もう昼ごはんの時間過ぎてるけどどうする?」
え!?もうそんな時間!?
「うーん。お腹すいてないから夜ご飯までいらないや。」
朝もちょっと遅かったし。
「そうだな。よし、もう一眠りするか。」
「うへ!?」
奏斗くんはそう言うと私を抱えあげてベッドに転がった。
「な、なんで!?」
「眠いんだし、いいじゃん。」
だからって普通2人で寝る!?
「昨日も寝たんだしいーだろ。」
「そ、そういう問題じゃなくてですね。」
「うっせー。」
ちょ!私を抱き枕にしないで頂きたいっ!
これじゃ寝れない〜!
「おやすみ、桃音。」
「ちょ、寝ないで離して!?」
「スースー」
奏斗くんもう寝たの!?
離してくれないと出れないんですけど!
まてまて、体よじっても全く離れないこのおてて2本…。
切り落としたろかぁぁ!!
そんな感じで奏斗くんの手と格闘してるあいだに睡魔に負けて、
結局私も寝てしまった。
