ー桃音sideー
やっぱり伝えるべき…だよね。
昔からの知り合いって分かったほうがこれからの生活も過ごしやすいと思うし…
「よし!いくか!」
人違いだったら、誤魔化せばいいや!
コンコン
「奏斗くん?入ってもいい?」
返事がない。
「寝ちゃったのかな…?」
入っても大丈夫…かな?
「奏斗くん、入るね?」
よしっ!当たって砕けろだ!
(砕けちゃダメです)
「おじゃましま〜す。」
シーーン
あ、あれ?奏斗くんいない…?
あ、、寝てる。
疲れたよね。ご飯も作ってくれたし…
うーん。出直すか…
「んん…?」
「桃音…?」
「あ、ごめん!起こしちゃったよね。」
起こしちゃ悪いよね。
「気にせずに寝て!部屋戻るから。おじゃま…。」
部屋を出ていこうとしたら、
「もう起きるから大丈夫。桃音、こっち戻ってきて。」
って奏斗くんに引っ張られた。
「え、いいの?眠いんじゃ…」
目がまだ眠そうだし…
「大丈夫だから。」
「ご、ごめんね。」
部屋入るんじゃなかったよね…。
「いいから、そんな顔しない。それより用があったんだろ?」
あ!忘れてた…。
ちゃんと、聞かないと!
「あ、あのさ。。勘違いかもしれないんだけど…。」
「ん?」
「私のね、昔の友達に奏斗くんがすっごく、似てて!それで、その人、なの、かな?って思って。いや、違うよね!?うん。ごめんね?」
焦って早口になる私。
「桃音、落ち着いて。勘違いじゃないと思うよ。俺も昔お前に会ってるから。」
「だ、だよね、人違い…へ?」
え!?今、なんと…?
「だから、俺もお前のこと覚えてるって言ったんだよ。」
「え!?ほ、ほんとに!?」
おばあちゃんの言う通りなんだ…、
奏斗くんが、奏ちゃんなんだ!
「てことは、奏斗くんって奏ちゃん、なんだよね。」
「うん。久しぶりだね、もねちゃん。」
や、やっぱり!!
私信じてなかったけどほんとだったんだ!
「奏ちゃん!すっごくおっきくなってる!すごいっ!」
安心からか緊張がほぐれた私はテンションが大爆発。
「お、落ち着けって。大きくなってってそりゃあもう高校生だしな。」
「ご、ごめん。そうだよね!」
私安心したからか暴走してた!
「もねちゃん、ほんとにおっきく…なってねーな。」
は??
「いやいや!なってますから!身長伸びまくったから!」
確かにチビだけど!
奏斗くんと身長差15cm以上あるけどさ!
身長伸びてないって失礼だ!
「奏斗くんは昔っからしっつれい&意地悪なんだね!そこだけは、おこちゃまのままなんだねっ!」
ふんっ!と私は顔を背けて言い返す。
「誰がおこちゃまだ。そんな意地悪にいつもしどろもどろなってる桃音さんにだけは言われたくねーな。」
「な、なってないしっ!?」
「ふっ。今も顔真っ赤ですよ桃音さん?」
くぅー!余裕の笑みがにくいっ!
「その顔ひっぺがしたい!あ、そういえば、なんで思い出したの?」
「それは、お前のおばあちゃんが…。いや、なんでも…」
へ?今おばあちゃんって言った!?
「おばあちゃんっ!?」
「いや、なんでもねーんだけど夢でお前のおばあちゃんにあったんだよ。花畑?みたいなとこで。」
奏斗くんもあそこにいたの!?
「花畑ってラベンダーだよね?」
「あー、確かそうだった気がする。どうした?」
ラベンダーの花畑…。
