それから私はますます笑うことが出来なくなってしまった。
「あんたなんて、消えてなくなれ!」
何度も言われた。
死ね、きえろ、顔だけの女、
何度も何度も。
同じことを言われては、なぐられて、
私はもう限界だった。
そんな私を琴乃はいつも守ってくれていた。
でも、そんな琴乃にもいじめの手がまわってきて
琴乃も一緒に罵倒されるようになった。
ある日琴乃が風邪をひいて休んでしまった。
その日、私の全てが狂った。
「体育館倉庫に来てほしい。謝りたい」
そう書かれた手紙があった。
私は体育館倉庫に行った。
それがわなだとも知らず。
「ほんとに来たんだ。ばかだなー!」
そこには何人もの男の子や女の子。
そこで私は女の子には悪口を言われまくり、男の子には殴られまくった。
「ねぇ、服脱がしてじかで殴ったらもっと痛いよね?」
一人の女の子がそういった。
「だな!脱がせよーぜー!」
「やだ!やめてよぉ!」
私は必死に抵抗したけど、無駄だった。
一瞬で下着姿になって、また殴られた。
もうダメだ。そんな時、
「何してんの!あなたたち!!」
先生が来た。
「大丈夫!?小野寺さん!!」
そこで私の意識が途絶えた。
あとから聞くと、非常ベルがなってイタズラにならされたのだと知った先生が、
どこからなったのか調べたところ体育館倉庫からだったため、かけつけたらしい。
だれが非常ベルを鳴らしてくれたのか、それは琴乃だった。
放課後になっても帰ってこないと知った琴乃が風邪をひいてるのにも関わらず学校まで来た時、
私の叫び声を聞いて、非常ベルを鳴らしてくれたらしい。
私はその出来事のせいで、男の子に関われなくなった。
やがて、お母さんたちがきた。
「ごめんね、桃音。守ってあげられなくてほんとにごめんなさい。」
あの時のお母さんの泣き顔、今でも忘れられない。
この顔にさせたのは私。私が笑わないダメな子だったからだ。
そう思った。そして、私は
いつでも笑うようにした?
自分でも気づいたいた。笑ったところで、
みんなが私に構うのは、薄っぺらい関係だってことくらい。
でも、こころに安心を与えたくて、
私は笑い続けていた。
それがこの結果。
結局、琴乃にも捨てられてしまったのだ。
ほんと、バカみたい…。
