「やっと元気になった。」
微笑んで奏斗くんは私に言う。
「え?」
「帰ってきてお風呂上がっても無理してた感あったから。」
「気づいてたの…?」
「うん。ちょっとスッキリした?」
「うん、いろいろありがとう。」
「ん。」
奏斗くんはそう言って頭を撫でてくれる。
奏斗くんに頭を撫でられると落ち着くんだよな。なんか、
懐かしいっていうか、前もこんなことあったような気がする。
「そろそろ寝ようか。」
「うんそうだね。」
寝たら元通りになってないかな。
琴乃ともう一度…仲良くなれないのかな。
「もね…桃音?」
「え、あ、ごめん。ぼーっとしてた。」
「どしたの?」
奏斗くんが優しく言ってくれる。
奏斗くんは意地悪な時もあるけど、
なんだかんだ優しい。
「ううん!大丈夫だよ。」
だから、これ以上心配かけちゃだめだ。
「もう寝よっか!」
「…そうだな。」
「おやすみ。」
「うん、おやすみ奏斗くん。」
そう言ってお互いに部屋に入った。
