ー奏斗sideー
いつも笑ってる桃音をこんなに泣かせるほどの出来事なんて、やっぱ速水となんかあったんじゃないかとしか思えない。
俺の腕の中で泣いている桃音は、
改めてちっせーなって思った。
守ってやりたい。そう思った。
「琴乃にね、友達やめよって言われたの。」
桃音が泣きながら言う。
「喧嘩でもした?」
「何もしてないはずなの。トイレから琴乃が帰ってきて、すぐ。言われた…嫌いって。」
「それは今日?」
「ううん。昨日。」
「昨日からずっと泣くの我慢してたの?よく頑張ったな。」
「う、ぅ。うぅぅ。。」
速水が桃音と仲いいのは有名だ。
男子の中でも桃音と仲良くなるには速水ガードをくぐり抜けないといけないなんて言われている。
「桃音、今日はお風呂はいってもう寝よ。明日土曜だし。な?」
「うん…。」
「先風呂行ってこいよ」
「うん。ありがとう。」
桃音はとことことお風呂に入りに行った。
今のうちに蒼に電話でもしとくか。
トゥルルルル♪
「珍しいな。奏斗から電話なんて。俺だけどどした?」
「今ちょっといいか?」
「あぁ、塾ももう終わって今さっき琴乃と別れたとこだからな。」
「速水とさっきまで一緒にいたのか?」
「あぁ。いつもよりは元気なかったな。明日会う約束してるから元気付けてやるつもりだけど。琴乃がどした?」
「それがな…。」
俺は蒼に桃音から聞いたことを話した。
「琴乃が桃音ちゃんを嫌ってるわけない。だって琴乃は桃音ちゃんの話をする時はいつも笑顔なんだよ。」
「やっぱりなんかあるのか…。」
「ふっめずらしいな。お前が女に夢中になってるとか。昔は興味なかったくせにな。」
「桃音だけなんか、、気になんだよ。うっせーよ。」
「悪い悪い笑。俺も明日琴乃に話聞くから。また連絡するわ。」
「あぁ、頼む。」
蒼に託すしかないな…。
俺は電話を切った。
ー奏斗sideー 終