何時間泣いたのか分からない。
でも、久しぶりに抱きしめてもらった腕の中で涙を流した。
そのあいだずっと奏斗くんは、
「辛かったな。よく頑張ったな。」
って、言ってくれた。
それにまた涙が出てしまった。
「もう大丈夫。ありがとう。」
「ん。もー帰るか。」
「え?今何時…?」
「ん…5時半。」
うげ。何時間泣いたんだ…。
もう放課後だった。
「ごめんねほんとに。。」
「なぁ。桃音。なんで泣いてたか聞かせてくれる?」
「う、うん。また、後でね…」
今は泣きすぎてなんて言えばいいか分からない。
「ん。家でな。じゃあ、帰るか。」
「うん。帰ろ。」
そうして2人で家に帰った。
「ご飯どうする?いる?」
「ううん。お腹すいてない…。」
「そっか。じゃあ、」
そう言うと奏斗くんがソファーに座ってこっち向いて、
「おいで」
って手を広げた。
私は顔を赤めながらゆっくり近づいて、
その腕の中に入れてもらった。
「ん。ちっさい。」
「奏斗くんがでかいの。」
「どしたの。聞くよ」
そう言って優しく微笑んでくれた。
その顔を見た時、大丈夫だって思えて、
今までの事を話した。