ー桃音sideー
「うぅ。」
ここどこだろ。私倒れて…。
「起きたか?」
え?なんでここに奏斗くんが!?
「なんでここに…?」
「俺がここまで連れてきた。」
え!?重いのに恥ずかしい…。
「あ。ありがとね。」
琴乃はやっぱり、いないよね…。
嫌いになっちゃったんだ…。
みんなからも琴乃からも
嫌われたんだな…。
そう思うと泣きそうになってしまった。
そしたら、それに気づいたのか
「泣けば?」
って、奏斗くんが言った。
「なんで泣くの?」
私は素直になれなくて、
聞き返してしまった。
「泣きたいならなけばいい。ずっと笑ってるなんて無理だし。笑顔なんてほんとに楽しい時に自然に出るんだから。作るもんじゃねーんだよ。」
そう言って頭を撫でてくれた。
作るものじゃない?
「そんなの嘘…。」
「嘘じゃねーよ。」
「笑顔は作るの。作らないとやっていけないの。奏斗くんには分からないよ。私のことはほっといてくれていいから。」
素直になれない私が嫌い。
でも、ここで泣いたら負けになる。
「桃音のこと分からない。まだ知り合って3日目だし。でも、知りたいと思うよ。人のために不器用なりに頑張る桃音は、ほんとに強いよ。でも、無理しすぎは壊れるんだよ。」
私は俯いてしまった。何も返せなかった。
「桃音、泣いていいよ。」
そう言って抱きしめてくれた。
そうしたら自然に涙がでて、
泣いてしまった。
泣かないようにしてたのに、その鎖は
一瞬で砕けてしまった。
