「桃音桃音!」
お風呂からあがるとお母さんに呼ばれた。
「奏斗くんと、付き合ってるんでしょ?」
「はい!??」
なんでそんな唐突に!?
「気づいてないとでも思った?恵子だって気づいてるんだから〜」
嘘でしょ!?私そんな奏斗と話してないのに!
「恋は盲目なのよ?その人を見る目が明らかに違ってくるものなのよー」
お母さんは嬉しそうに解説する。
「んで、どうなの?付き合ってるの?」
これって言っちゃっていいのかな?
勝手に言っちゃいけないよね。
「まだ付き合うなんて関係じゃないよ!」
私はそうお母さんに言った。
そしたら、「片思いなのね!」と言ってキッチンの方へ行ってしまった。
「ふぅ」
何とかごまかせた…。
もう質問されたくないと自分の部屋に逃げた。
私はその夜は疲れきっていて、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。
