「じゃあ、お母さん達行ってくるわね〜」





「戸締りはちゃんとするんだぞ。」






「はーい!二人とも行ってらっしゃい!」






「気をつけてください。」







今日から私と千羽くんの2人での生活が





始まる。







「おい。そろそろ学校行かねーとやばい。走るぞ。」








「ほんとだ!やばい!」






ホントは昨日のことがあって行きたくないけど行かなきゃいけない。






「千羽くん足速いね。」







「奏斗でいいよ。これから2人なのに苗字なんて堅苦しいし。」







走ってる途中に言うんだ。







おかしくなって微笑んでしまった。







「ふふっ。そうだね。私のことも名前で呼んでくれていいから。」








「何笑ってんだよ。よろしくな、桃音。」








「うん。よろしくね。奏斗くん。」








ギリギリ間に合って、教室に駆け込む。








机に座って本を読む琴乃の姿があった。









声をかけようと思ったけど、そんな勇気もなく、私は席に座った。








「はーい!じゃあ、球技大会についてチーム決めも決まったことだし、次の体育はそれぞれの競技の練習よ!」







え!?決まったの!?あー、たしかに帰りまでに言ってって先生言ってたなー。









「よし!女子男子それぞれ体育館集合だ!早く着替えてこいよ〜!」






ちょっと男っぽい口調だけど一応担任の女の、美知子先生通称みっちーが、みんなを誘導する。








私も着替えていかないと…。







いつもは琴乃と楽しく話してたけどそんなの無理だもんね…。







そう思うと悲しくなった。








なんで嫌いになっちゃったんだろう。








私はずっと考えた。でも、分からない。







ずっと嫌いだったのかな?


そう思うとまた涙がでそうで。








ダメダメ!ポジティブ!
前向いて!







自分にそう言い聞かせて、体育館に向かった。










「よし!準備体操も終わったしバスケしていくわよ!まずは、1組Aチーム対2組Aチームよ!あ、小野寺さんはBチームよ!試合するわよー」







Bチームって誰だろ?







私と、早坂 すみれちゃんと北大路 夢香ちゃんと、華ちゃんと椛ちゃんか。






強さ的に言えばいい感じかも!








「小野寺さんよろしくね!」







明るく声をかけてくれたのは、







すみれちゃんだった。







「早坂さん、こちらこそよろしくね。」







「さんずけっておかしいね笑すみれって呼んで!私も桃音って呼んでいい?」







「うん!もちろん!」








「珍しいね、琴乃と一緒にいないなんて。喧嘩でもした?」









「ちょっと、ね。」








「そっか!まぁすぐ仲直り出来るよ!」








すみれはほんとに笑顔が似合う。







ボーイッシュってこういうことなんだろうな








体育は、2クラス同じ。私たち1組と、2組の子達は一緒に授業を受ける。







「きゃー!男子かっこいい〜!」








男子?あー外のサッカーか。








「千羽くんかっこいー!!」








あ、そっか。奏斗くん2組だから、







1組と合同なのか。







「よーし!次、Bチーム同士試合するぞー。はやくこっちにこーい!イケメンにうつつを抜かすのはあと10年早い!」











「みっちーは、うつつ抜かすの〜?」










2組の女の子がからかう。









「そりゃあ、もうおばさ…うるさいわ!さっさと試合しろ!」









みんな大爆笑。





朝から元気だなーみっちーは!





よし!絶対に勝つぞ〜!