sugar&bitter



ー桃音sideー





「うぅ…うぇぇーん…」





何時間泣いたのだろう。






何時間ここにいたのだろう。







ただあれから屋上に走って、







ずっと泣いてた。








どうしていきなり友達やめようって






琴乃から言われたのか本当に分からない。









何がいけなかった?









どこが嫌いだった?








私がいじめられてた時ずっとそばにいてくれていた。







もう疲れたの?








嫌いになっちゃった?









今度の土曜日コンサート行くって、







昨日誘ってくれたじゃん。








「ねぇ、なんで…琴乃…。」








もう訳が分からない。







私たちはそれだけの関係だった?







ねぇ、なんで?琴乃…。







初めて琴乃に言われた嫌いは、








私の心を破壊するには充分だった。









私は大好きだった。友達、いや、








大親友だと思ってた。









でも琴乃はそうは思ってくれたなかった。









そう思うとほんとに辛くて。








教室に戻れないまま、放課後を迎えてしまった。







「教室戻らないと…。」







トイレで泣いた顔を洗ってばれないようにして、カバンを取りに行った。







ガラガラ







「小野寺さん!心配したのよ…大丈夫?」







「はい。大丈夫です。」






笑顔で…笑うんだ。





先生に心配かけたくない。








泣いてるとこ見られたくない…。








「保健室来てくれたら休ませてあげたのに…大丈夫ならよかったわ。もう帰りなさい。」









「え?保健室…?」








「お腹痛かったのよね?速水さんから教えてもらったのよ。大丈夫だった?」








琴乃が?







先生に気を利かせて言ってくれたの?







もう分からないよ…琴乃…。







なんで最後まで助けてくれるのよ…。









「ほんとに仲がいいのねあなた達は」








なんて言ったらいいのかな…。







もうそんな友達じゃないのに。








「友達ですから!」







笑顔で言えたかな?







もう友達じゃないのに…。






「じゃあ帰ります、さようなら!」







「また明日ね。」







それから家に着くまでひたすら泣いて、







家でちゃんと笑えるか不安だったけど






明日からシンガポールに行く2人に心配させたくない一心で、






泣くのをこらえて家に帰った。






「ただいま〜!!」






「おかえり!桃音、学校楽しかった?」






「もちろん!球技大会の話で盛り上がっちゃってさ〜。」






「琴乃ちゃんも?球技大会何するの?」






琴乃は友達じゃなくなった…なんて、





言えない。






「うん!バスケットだよ!」






「そう!今度の土曜日のコンサート楽しみねお母さんも行きたいわ〜!」








「お母さんはシンガポールでしょ!ご飯はもうできるの?」







「もうすぐよ、お父さんもそろそろ帰ってくるから着替えて下に降りてきてね。」








「はーい!」








「奏斗くんも呼んできてね〜」








あ、一緒に住んでるんだった…。









「了解!」








逃げるように部屋に入った。






笑えた?ちゃんと。バレてない?







もう、友達じゃないから。






今度の土曜日も一緒に行けない。






千羽くんには、琴乃が熱出したって言っておこう。







「うぅぅ…。」






泣くしかできない。泣きたい。






でもここは家だし、隣には千羽くんがいる。





我慢しなくちゃ。大丈夫。






笑うんだ。笑わないと。





前を向かないと…。






じゃなきゃ友達できなくなる。





あれ?でも、友達もういなくなっちゃった。






笑ってるのに、笑顔で過ごしたのに、






昔言われた。






「小野寺さんって、可愛いだけで笑わないしほんと態度可愛くない」






顔しか取り柄ない。小学生の時からずっと言われてきた。






顔なんて可愛くないのに…。





私は外見しか見てもらえなくて、告白されてもほぼ外見で。





中身を見てくれたのは琴乃だけ。






「琴乃…。」






もう疲れちゃった?ごめんね。






私が悪いんだ…。琴乃を疲れさせちゃったから。私のせい。






笑っても友達が出来ないんじゃ、




どうすればいいの…?






もう分からないよ。






お母さんは学生の時人気だった。でも私は人気じゃなくて嫌われ者。





ほんと何もにてない…。







私はお母さんの子どもには相応しくないくらいの劣化品。





「もう疲れちゃった。」







笑うことしか出来ない私は、





とうとう笑うがわからなくなった。