ー琴乃sideー
手を洗っていたら、
雛川たちに呼び出された。
雛川 華と、川上 椛。
この2人はなにかと私と桃音に
喧嘩を売りに来る。
「何?」
「あんたさ、うっざいのよ。」
来ると思った。でも、慣れてる。
私はそういう女子の女子女子したところが
ほんとに嫌い。
「直接言いに来てくれてありがとね。」
そう言って立ち去ろうとする。
「それでさ、私あんたハブるから」
「勝手にすれば?」
勝手にハブればいい。
そんなの痛くも痒くもない。
「あんたが、桃音ちゃんと話したら桃音ちゃんまで巻き込むから。」
は?
「桃音は関係ないでしょ。あんたら、馬鹿なの?負け犬の遠吠えにしか聞こえないんだけど。」
「桃音ちゃん、またいじめられちゃうね?」
「華はやる時はやるからね?あんたが、桃音ちゃんと話したら2人まとめてハブるから。」
「まぁあんたが決めるのね。桃音ちゃんを2度もいじめられる羽目に合わせるのか、あんた1人がいじめられるのか。」
「どーするのー?」
桃音…。
中学校のとき、桃音はほんとに辛かったと思う。
顔が可愛い、モテる、ただそれだけの嫉妬で
女子からいじめられてきた。
でも、桃音は泣かなかった。
ほんとは泣けなかったんだと思う。
それから私は桃音を守ると誓った。
でもこのままじゃ、桃音を守れない…。
もう友達やめるしかないよね。
これが桃音のため。
「わかったよ。関わらないから。桃音に手出したらぶっ殺すから。」
「はいはい。じゃあ、あんただけにしておくわ。椛、行きましょ。」
「華まってよ!話したら終わりだからね?」
そう言ってクラスに戻っていった。
これで桃音がすくわれる。
そう思ってた。
あいつらのほんとの標的が桃音で、
ハメられてるともしらずに。
