「ありがとう、話してくれて」
「聞いてくれてありがとな」
「奏斗くん、余計なお世話なのかもしれないけどね」
私このままじゃ後悔したままになっちゃう気がするの。
私、七瀬さんが奏斗くんにもう一度好きって言いに来た理由、ほんとは話したかったんじゃないのかな?
「奏斗くん、話すべきだと思うな」
「桃音はそう思うの?」
「正しいかどうかはわからない…でも、私奏斗くんがこうやって辛い過去を抱えるのに後悔する気持ちまで抱えて欲しくないの」
「私、奏斗くんが好きだよ?どんな事があっても変わらない。約束する!でも、そんなに好きな奏斗くんだから、奏斗くんには笑っててほしい!無理のないいつもみたいな顔で」
私はそう言って、めいいっぱい飛んで奏斗くんに抱きついた。
奏斗くんはそれを見事に受け止めてくれた。
「奏斗くん、好きだよ。話してくれたこと嬉しい」
奏斗くんにそう言うと、奏斗くんは
「桃音ってウブなんだか大胆なんだか分からない」
って言っていつもの顔で笑ってくれた。
