「佐々木さーん。佐々木鈴華さん」



私は白血病を小さいときに患い、直したがそれっきり体が弱くなった



今日もまた、体調が優れない




「はーい」




「じゃあ、いってきます。真弓さんはここにいてください」




真弓(マユミ)さんは父の再婚相手だ。私はお母さんとまだ呼べたことはない。それどころか敬語も抜けない



「分かったよー待ってるね」





真弓さんの言葉を聞き、平日にもかかわらずたくさんの人が座っている待合室のソファーから受付へと向かう



「おはよう。鈴華ちゃん、大丈夫?」




「はい」



「そう、今日は梅田先生のとこね」






この病院にはたくさん来てるから看護師さんや先生のことは一通り知っている


梅田先生は優しくて面白い女の先生だ



梅田先生が担当の4号室の部屋の前のソファーに座った





うぅーズキズキする





急に、ガンガンと頭を叩かれているような痛さが私を襲う


はぁはぁ




「大丈夫?」



隣で男の子の声がする



「ごめんなさい、大丈夫です」



うるさかったかな、




「なんで謝るんだよ、それより梅田のとこ?」




梅田先生と知り合いなのかな




呼び捨てって…




おもわず笑みがこぼれる


ちょっと待ってろーっといって、その男の子は梅田先生の病室の中に入っていった




15秒ほどで梅田先生と戻ってきた




「ちょっと、鈴華ちゃんだいじょうぶ?!」





先生が屈んで私に目線を合わせる




「大丈夫です、さっき頭痛がひどくて…」



先生は安心した顔をした



「鈴華ちゃんのことはよかったけど日向くん呼び捨てはやめなさいって何回も言ってるでしょー?」



日向くん?





「ごめんごめん笑まぁ、許せって急いでたんだよ」



その、日向くんと呼ばれた男の子は先生に笑顔で笑い返した


「しょうがないわねー、はやく病室戻りなさい」




先生に怒られ男の子は入院患者が居るB棟にあるいていった




「先生、さっきの子は?」



姿が見えなくなったあと先生に聞いた




「さっきの子はね日向棗くん。たしか、17歳だから鈴華ちゃんと同じくらいね」



同い年だったんだ、大人っぽく見えた



いつの間にか頭痛はひいていてなんならとても元気な状態に戻っていた




「よし、鈴華ちゃん診察室入ろうか!」



はーいといって先生と話しながら病室に入る



「今日は、どうしたの?」




診察室に入ると先生は別人のような顔をする




「えーと、なんか全体的に怠くて…」


そこから心臓の音を聞いて、熱を測って、一通り見てもらった



「風邪かな、安静にするように!」



「はーい」



帰ろうと思って後ろを向いたとき先生が私を呼び止めた



「鈴華ちゃん、その腕の痣どうしたの?」


最近どこにもぶつけてないのに


「知りません」


先生は、さっきと少し顔が違って見えた


おだいじにといわれ診察室から出た



その後、最初の待合室に戻り、お会計をして真弓さんと家に帰った