求婚歌


ひかるの言葉に不満を残しつつ、二人で店を出た。

「プリクラ、撮ってく?」

ひかるに誘われゲーセンへ向かう。

「そういえば、昨日さー」

「あ?ひかる!?」

すれ違い様に、ひかるが呼び止められた。

「ひかる、ひかるだろ!すげー久しぶり!!」

振り向くと、目の大きな可愛らしい男の子が笑っていた。

ひかるはきょとんとした顔で、その男の子を見つめていた。

「覚えてねーの?俺、ひかりだよ。ひかり!」

「あ、光君?ホントに?」

ひかるがちょっと驚いた後、嬉しそうに笑う。

「マジだって!うわーすげーびくった!でも、すげー嬉しい!!」

屈託無く笑う男の子の笑顔は、再会を喜ぶ以上のものを感じた。

「ひかる、お邪魔みたいだから先帰るね。」

こそっとひかるに伝える。

「えっっ、ちょっと待ってよ圭。」

「けい?」

ひかるの声の後、私を呼ぶ違う声がした。