求婚歌


何度目か分からないキスを終え、私は小さく息をつく

いつもなら緩むはずの腕が、まだ絡みついたままだった。

「順君?」

頭ひとつ上の顔を覗き込むと、切なそうな瞳と目が合った。

『あ、駄目だ』

頭の中の信号が点滅したと同時に、声が聞こえた。


「圭が、欲しい。」



私の心が、急速に冷えていくのがわかった。





いや、初めから冷めていたのかもしれない。