庄司要、21歳。
小中高と女子校に通っていた私は、男性に対しての免疫がなく、高校卒業後まで彼氏ができなかった。
別に男が嫌いな訳じゃない、むしろ周りからは男っぽいと言われるくらいだ。高校時代は女子にすごくモテて対応に困っていた。

そんな私に、好きだと言ってくれた人がいた。
「男性のタイプとか良くわからないし、彼氏なんて今まで居たことがないから、大変だと思うけど。」
「それでも、君と一緒に居たいんだ。付き合ってください。」
イケメンって言うほど顔が良いわけでもないし、これといって才能があるわけでもない。でも、なぜか目が離せなくなって、ついにはOKしてしまった。
デートもキスも、それ以上も。
何もかもが初めてで緊張して、うまくいかなかったことなんてたくさんあった。その度に泣く私に、
彼は、大丈夫と言った。根拠のある言葉ではないとわかっていたけれど、その言葉に安心してまた泣いた。

彼が一緒に住もうと言うまでに長い時間はかからなかった。もちろん、言葉の意味もちゃんとわかっていたつもりだった。
お揃いの柄のマグカップ。くっつけると猫の尻尾がハート柄になるのが可愛くておねだりした。